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XTC「DRUMS AND WIRES」 [XTC]

今回取り上げるXTCのアルバムは、1979年のサード・アルバム「DRUMS AND WIRES」。彼らのアルバムの中ではこれも私のお気に入りで、聴く機会が多いアルバムである。

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セカンド・アルバム「GO 2」を出した後、XTCはメンバー・チェンジが行なわれている。

キーボードのバリー・アンドリュースがアルバムに自分の曲が少ないという理由でアンディ・パートリッジと揉めた末にグループを脱退、そこで新しくメンバーとしてギタリストのデイヴ・グレゴリーが加入した。
ギタリストを追加してキーボードがなくなったことによってXTCは完全にギター・バンドとなり、その後のサウンドや音楽性に変化が起きることとなる。

脱退したバリーはその後シュリークバックというバンドを結成するが、大した成功を収めずに終わっており、その後ロバート・フリップのユニット、リーグ・オヴ・ジェントルメンに参加したりしている。

この頃のメンバー写真。
左から、アンディ・パートリッジ、コリン・モールディング、テリー・チェンバース、デイヴ・グレゴリー

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そのバリー脱退・デイヴ加入後の通算3枚目となるこのアルバム、前の2作のジョン・レッキーに変わってプロデューサーに起用されたのが、当時はまだそれほど有名ではなかったスティーヴ・リリィホワイト。エンジニアは彼の弟子でその後名プロデューサーとなり、The Police「SYNCHRONICITY」、Paul McCartney「PRESS TO PLAY」、Genesis「INVISIBLE TOUCH」など数々の作品を手掛けるヒュー・パジャムである。

UK Virginオリジナル盤。
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このアルバムの初回盤には「Chain Of Command / Limelight」のシングルがオマケで付いていた。
2曲とも現在はこのアルバムのCDにボートラとして収録されている。

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このアルバムは名盤である次作の「BLACK SEA」以後へと続くXTCの新たな音楽性の基礎が固まりつつあることが垣間みれる内容で、言わばプロト・タイプといった印象だ。ビートルズで言えば「RUBBER SOUL」の立ち位置にあるアルバムと言っていいかも。"XTC"の顔文字をあしらったカラフルな色使いのジャケも印象的。

ちなみにこのアルバムのアナログ時代の国内盤やアメリカ盤などではA-3の「Day In Day Out」がカットされ、代わりにシングル曲の「Life Begins At The Hop」が収録されていた。

左は'89年に出た今はなきVirgin Japan盤CD、右は2001年の紙ジャケ。
曲順は異なるが、どちらにもボートラで「Life Begins At The Hop」「Chain Of Command」「Limelight」が収録されている。


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このアルバム、同じくスティーヴ・リリィホワイトが手掛けた「BLACK SEA」に比べれば派手さはなくゲート・エコーもまだ使用されておらず、いくぶん地味な印象があるが、バリーのあのチープでインチキ臭いキーボードがなくなったことによってサウンド的にはスッキリと締まった感じになり、楽曲自体も前2作の落ち着きのない感じがなくなりずいぶんと垢抜けた雰囲気である。しかし毒気は抜けておらずそのまんま。

このアルバムには現在CDにボートラとして入っている曲を含めて3曲のシングル曲が収録されているが、なんと3曲ともコリン・モールディングの曲で、アンディ・パートリッジの曲はシングル化されていない。どちらかというとシングル向きのキャッチーな曲を書くコリンだが、アルバム全体では12曲中4曲しか彼の曲がない分インパクトを放っている。

アルバム冒頭に収録されているシングル第2弾の"Making Plans For Nigel"のPV (stereo)。
聴けば聴くほど味が出る曲である。


Making Plans For Nigel


アルバムに先駆けて発売されたシングル「Life Begins At The Hop」。ご覧のとおりのクリア・ヴィニール盤。
ストーンズ「Under My Thumb」を彷彿させるモータウン・ビートのポップ・ロックだ。


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"Life Begins At The Hop"PV



この他コリンの曲では、シングルではアルバムと別テイクだった「Ten Feet Tall」が日本人好みのマイナーで親しみやすいいい曲だ。

アルバム未収録曲の「Wait Till Your Boat Goes Down」とのカップリングで出たフランスVirgin盤の「Ten Feet Tall」のシングル。
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アンディの曲ではシンセのノイズでヘリコプターのホバリングの音を再現した「Helicopter」や、デイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキンがカヴァーした「Roads Girdle The Globe」 など、アンディらしいヒネクレ度が高くインパクトの強い曲が揃っている。
この他アンディの曲で「Scissor Man」という曲も収録されているが、'99年の小説で映画化もされた「ハサミ男」は、作者の殊能将之がこの曲にインスパイアされた結果生まれたものだという(私は未読)。

正直言ってバリー・アンドリュースのキーボードはいらない、と思っていた私にとって、このアルバムから変態キーボードがなくなったことによってサウンドにまとまりが出たのはよかったと思うし、その後の快進撃に繋がることを思えば、結果としてこれはバンドにとってやっぱり正解だったと思う。




Drums and Wires

Drums and Wires

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Caroline
  • 発売日: 2002/08/06
  • メディア: CD


タグ:xtc
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コメント 6

pinkisland

私、Making Plans For Nigelが昔から大好きでして、この1曲で取り上げようかと思っていたところでした。最初、聴いた時は、トッドラングレンかなと思ったのですが、XTCでした。

米盤プロモ(シングル付き)がどこかにあると思うのですが・・
by pinkisland (2008-09-15 10:35) 

MASA

私も大好きですね、「Making Plans For Nigel」。
アンディより実はコリン・ファンという人も多いみたいですね^^。

米盤プロモですか?いいですねえ。
是非探し出してpinkさんのブログにupして下さい!
by MASA (2008-09-15 14:58) 

がぁこ

またETCだ(笑)
文字がジャケの顔になってるしw
っていうかこういうアルバム聞くのって当然ステレオの針だろうけど
手に入るのって難しいんじゃ?
MASAさんくらいになるともうコネがあるのかな?
by がぁこ (2008-09-16 02:15) 

MASA

ETCじゃなっいってば〜(笑)
当分これ続くからね(笑)。
レコード針はヨドバシとかビックカメラとかで今でもフツーに売ってるんだよん。
だから全然大丈夫^^。
アナログ・ファンていうのはけっこういるんです。
by MASA (2008-09-16 02:25) 

マルコメX

Life Begins At The Hopは、わたしの印象では狙いすましたような冗長さというかユルい感じがして好きです。

このところ「めっきり年を取ったなぁ」と、感慨ひとしおな自分にとっては優しいとさえいえる響きの音色だと思います。
by マルコメX (2008-09-17 20:40) 

MASA

マルコメさん、XTCがお気に召しましたか。

いやあ、まだまだ年齢を感じるにはちと早いのではと思いますよ。
この曲に代表されるようなこのバンドのユルさがいまいちメジャーになれなかった要因だと思いますが、マニアックなファンは数多く、実は日本が世界で一番このバンドのファンが多いと言われています。
by MASA (2008-09-17 23:47) 

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