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吉田拓郎の隠れ名曲・隠れ名盤 [J-POP]

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この間paddiesさんがご自分のブログで吉田拓郎「旅の宿」のシングル盤を取り上げておられましたが、何を隠そう、ワタシも高校時代から大学時代にかけてはたくろうの大ファンで、たくろうでギターも憶えたし、その時代のたくろうには並々ならぬ思い入れがあります。

それまで主に反戦・反体制のプロテスト・ソングだったフォークをポップ・ソングの次元にシフトさせ、フォークと歌謡曲との境界線を取り払った功績(功罪?)など、この人が当時どれほど画期的で偉大な存在だったかはウィキペディアでも参考にしていただくとして、とにかくワタシが高校生だった'70年代初頭、解散後すぐに再評価ブームが起こったビートルズをはじめ、レッド・ゼッペリン、ディープ・パープルなどのハード・ロック、ピンク・フロイド、キング・クリムゾンなどのプログレが人気があった一方で、たくろう「結婚しようよ」をリリースしたあたりから、世の中は空前と言っていいほどのフォーク・ブームでもありました。

ワタシの学校ではひとクラスにつき確実に3人〜5人くらいはギターが弾けるやつがいました。学校にギターを持って来るやつも多くて、よく昼休みになると自分のクラスや隣りのクラスからギターをかき鳴らしながら歌う声が聴こえて来たり、別々なクラスから何人かが集まってギター数台で廊下でセッションが始まったりもしてたなあ。
音楽学校でも何でもない普通の高校だったのですが、まあ'70年代初頭の高校って多かれ少なかれどこもみんなこんなもんだったのではないでしょうか。

そんな時代、ビートルズにドップリとハマった一方で、ワタシもそういう雰囲気の中で高2の時に当然のようにギターを覚えました。
そしてそんなワタシにギターを教えてくれたのが最初の頃はたくろうのレコードだったワケです(その後間もなくビートルズもコピーするようになりますが)。

その頃のたくろうの新作アルバム「元気です」などは何回聴いたか分からないほど聴きまくり、何曲かギターをコピーしたものです。

その「元気です」や、'74年の「今はまだ人生を語らず」(※"大人の事情"により現在CDは廃盤)などといった名作ならたまに語られる機会もありますが、たくろうの発表した膨大な楽曲やアルバムの中には今の若い世代が知らない、現在はあまり語られることがない隠れた名曲や名盤も何作かあります。

ということで今回はワタシも吉田拓郎を取り上げたいと思うのですが、普通に取り上げてもあんまり面白くないので、ここは敢えてワタシが改めて注目して欲しい吉田拓郎の隠れ名曲・隠れ名盤をご紹介したいと思います。

まずはアルバム未収録のシングル盤のうち、ワタシが持っているものを何枚かご紹介。これらはアルバム未収録であるが故に語られることが少ない名曲や意欲作です。

まずは'72年にリリースされたシングル「置き去りにした悲しみは c/w 花酔曲」
これは「旅の宿」の次にリリースしたシングルで、けっこうヒットしたため憶えている方は多いでしょう。
実はバックをそうそうたるメンツが固めていて、リード・ギターは高中正義だったりします。
B面の「花酔曲」も名曲中の名曲で、当時はライヴでも披露していたし、出来としてはこっちの方がワタシは好き。

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'73年に起こったあの悪夢の金沢事件のせいで(知らない人はググってね)アルバム「伽草子」が危うく発売中止になりかけたあと、この年の年末だったか翌'74年初めだったかにあまりラジオでオンエアされることもなく地味にリリースされたのが「金曜日の朝 c/w 子供に」
作詞は安井かずみで、ソウルフルな女性コーラスが入ったちょっと黒っぽい仕上がり。たくろうのヴォーカルも力強くてカッコイイ。

B面の「子供に」は自分の娘のことを歌ったと思しき曲で、こちらも悪くない曲。岡本おさみのメッセージ色が強い歌詞がいいです。

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次は井上陽水、泉谷しげる、小室等と共に自らが設立したフォーライフレーベル移籍後、「となりの町のお嬢さん」に続いて発売された第2弾シングル「たえこMY LOVE c/w チークを踊ろう」
「隣りの町のお嬢さん」は当時よくラジオでかかっていたので印象に残ってても、こっちの曲はよく覚えてないなあ、って人は多分多いのではないかと思います。

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でもこのシングルは両面共に文句なく名作!「たえこMY LOVE」は前作の「となりの町のお嬢さん」同様、将来奥さんとなる浅田美代子のことを歌った曲と言われていますが、力強くもホロリとするメロディが美しいラヴ・ソング。



個人的にA面よりもさらに好きなのがB面の「チークを踊ろう」で、この曲も美代ちゃんのことなのかぁ?という感じの、どことなく歌詞が可愛いラヴ・ソング。どっちかというと当時はこのB面の方をよく聴いてたなあ。



そして'81年には意外にも拓郎の曲が某化粧品メーカーの夏のキャンペーン・ソングとしてCMに起用されるという、この人らしからぬ珍事が起こる(笑)。
その曲が「サマー・ピープル」

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アレンジを担当した松任谷正隆は何とこの拓郎節全開の楽曲に大瀧 詠一/ナイアガラ系のウォール・オヴ・サウンドを施したのですが、これがまた傑作!異色作と言ってもいいかも知れません。



ちなみにB面の「二十才のワルツ」はこの前年の'80年にリリースしたアルバム「アジアの片隅で」に収録されていた曲ですが、個人的にはあまり好きな曲じゃないなあ。

ご存知のとおり'70年代の中頃から'80年代初頭にかけてたくろう由紀さおり、キャンディーズ、梓みちよ、アグネス・チャン、太田裕美、石野真子、西城秀樹、近藤真彦など多くの歌手に曲を書いていますが、その逆影響なのか'70年代後半あたりからの拓郎が書く曲はかなり歌謡曲との境界線が曖昧なポップな作風に変わり、かつて"フォーク界のプリンス"などと呼ばれた頃に比べるとやや変化が見られます。

そんなフォークと歌謡曲風ポップがうまい具合に融合したアルバムが'77年11月にリリースされた「大いなる人」

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このアルバムこそまさに隠れた傑作と呼ぶに相応しいアルバムで、このアルバムを取り上げたくてここまで引っ張ったくらい個人的には大好きです(笑)。
A面トップを飾る「あの娘に逢えたら」から、B面最後の「歌にはならないけれど」までの全10曲中1曲として捨て曲なし!
ほとんどの曲のアレンジを担当しているのが鈴木茂なんですが、これがまた今までになかった拓郎の新たな魅力を120%引き出したセンスのいい絶妙なアレンジで、お見事と言うしかない出来映え。

すでに解散を発表していたキャンディーズのためにセルフ・カヴァーした「アン・ドゥ・トロワ」や、BUZZに提供した曲のこれもセルフ・カヴァー「あなたを愛して」、かつてのようなギターとハーモニカ弾き語りのフォーク調復活&詩に込められたメッセージが心に痛い「大いなる」など聴きどころは満載。聴くほどに心に沁み入る名盤です。



以上、あまりスポットが当たらない吉田拓郎の隠れた名作のご紹介でしたが、ちょっと調べたところ「たえこ MY LOVE」「サマー・ピープル」に関しては、この2曲を収録したフォーライフ時代のベスト盤が全く見当たりませんでした。
かつて出ていた「ONLY YOU」というベスト盤に両方とも収録されていたのですが、現在は廃盤(ただし「たえこ MY LOVE」はこのアルバム用の新録音)。これはイカンなあ〜。

最後に、拓郎キャンディーズに全部で4曲を提供しましたが、大ヒットした「やさしい悪魔」のB面に収録されていたミキちゃんがメイン・ヴォーカルを担当した「あなたのイエスタデイ」がこれまた傑作中の傑作!なので、これを最後に貼っておきます。



オマケで、キノコホテルのギタリスト、ケメが2008年にソロでリリースした曲で、モロに拓郎へのオマージュである「僕はダメな人間」で笑って下さい^^。








大いなる人(紙ジャケット仕様)

大いなる人(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: 吉田拓郎,喜多条忠,鈴木茂
  • 出版社/メーカー: フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • 発売日: 2006/04/05
  • メディア: CD

大いなる人

大いなる人

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • 発売日: 1990/02/21
  • メディア: CD



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コメント 8

paddies

おはようございます。
ファーストから大いなる人(カーリー前)まで聴いたところです。
(このあとはどうしようか思案中です)
”元気です。”も”今はまだ~”はもちろんなんですが
”大いなる人”がとても気に入って・・・うれしい記事でした!

今回初めてきちんと順番に聴いたのですが・・・
弾き語りだろうと思って聴いた”青春の詩”がまったく違っていた事をはじめ、自分の持っていたイメージが大きく変わりました。
いろいろな面で境界線を取り払ったって感じでしょうか

とにかくどれを聴いても懐かしいだけではなく、とても新鮮で

あらためて・・・聴いてよかったです!!
by paddies (2011-05-11 06:50) 

PETTY

拓郎のレコード(アルバムもシングルも)積極的に買っていたのは
「今はまだ人生を語らず」までで、それ以降の新曲は、ラジオで聴いたりすることが中心でした。大人の事情はわかりますが・・・拓郎作品の中では重要なアルバムが廃盤というのは寂しいですね。大人なればこそ優れた楽曲を葬り去るようなことはなんとかしてほしいですね。
「花酔曲」いいですよね。「おきざり〜」とは対極っぽいやさしい歌詞が好きでした。
by PETTY (2011-05-11 13:06) 

MASA

paddiesさんも「大いなる人」お気に入りですか、うれしいなあ〜。
もっと評価されて欲しいアルバムですね。

このあとのアルバム、う〜ん、正直言ってビミョーです(笑)
ワタシはアナログでは「アジアの片隅で」「ローリング30」「たくろうツアー'79」「シャングリラ」「マラソン」までは持ってますが(これ以降はCDを数枚)、その中でいいのは「ローリング30」くらいかなあ。
あとはぶっちゃけ決め手に欠ける感じなので、無理にはオススメしません^^;

たくろうは「青春の詩」からすでにロックっぽかったり、ボサノバだったりと、けっこうバラエティに富んでますよね。


by MASA (2011-05-11 21:16) 

MASA

PETTYさんもけっこうたくろうは聴いていたんですね。
でもフォーライフ時代からはご無沙汰なのかあ。
「人生を語らず」は過去にはちゃんとCD化されているのに、メーカー側の過剰な自主規制で現在廃盤のようです。
拓郎の歴史の中で1、2を争うほどの名盤が廃盤のままなんて、これは何とかして欲しいです。

「花酔曲」はいいですよねー。シングルのB面曲の中でも屈指の名曲ですね。
by MASA (2011-05-11 21:25) 

komakura

こんばんは。私は「明日に向かって走れ」まででポップス方向へ?行ってしまった拓郎氏にはついて行けませんでしたが、「ぷらいべえと」は好きなアルバムのひとつです(笑)
「ある雨の日の情景」とか「花嫁になる君に」や「ガラスの言葉」でアコギのフィンガーピッキングを学びました。体を壊してからマスコミの前に出なくなりましたがお元気なのでしょうか。。。
by komakura (2011-05-12 03:27) 

MASA

komakuraさん、お久しぶりです^^。
残念ながらフォーライフに移籍したあたりから離れたファンも多いみたいですねえ。

「花嫁になる君に」は意外に難しくてコピー出来ませんでした^^;
今でもちゃんと弾けるのは「旅の宿」くらいかなあ。
by MASA (2011-05-12 16:25) 

yukihiro

アルバム「明日に向かって走れ」までは、よく聴いてましたが
それ以降は、ところどころだったり、ご無沙汰だったりです。
最近というか、結構前ですか、中島みゆきの「ファイト」のカバー曲を
聴いた位です。
やっぱり、昔の曲が好きでカラオケでは「旅の宿」などを歌ってます。
これから、夏になりますが「蒼い夏」も好きです。

by yukihiro (2011-05-13 20:13) 

MASA

yukihiroさんもたくろうのファンだったんですね。
大体の人は「明日に向かって走れ」あたりを境に聴かなくなる人は聴かなくなるみたいですね。
やっぱりたくろうのピークはあの辺なんでしょうね。

でも何だかんだ言ってやっぱりワタシも「人間なんて」から「人生を語らず」くらいまでの時代が一番好きです。
「蒼い夏」いいですね。あの曲で「僕は平凡な愛妻家」とか歌ってたのに、その後3度も結婚するとはねえ。
全然平凡じゃなかったという(笑)。
by MASA (2011-05-14 01:34) 

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